パーケットフローリング。木片を寄せ集めて作ったフローリングのこと。
“寄せ集め”といっても、あまりもので間に合わせているのではもちろんない。
寄木で美しい模様を描くデザインパーケットを、『モザイクパーケット』または『寄せ木張り』ともいう。空間を品良く格上げしてくれる立役者のひとつだ。
デザインによって印象は若干ことなるものの、この床が貼られている空間に入ったときに大方の人が持つイメージは、「古きよき時代」だと思う。 意匠に手が込んでいた時代の建物やインテリアを好む人は、今なお多い。本物を知る人たちだ。
いわゆるフローリングでは、イメージが違う。
かといって、タイルのように硬質な床でもない。
木のぬくもりはほしいけれど、最近よくある普通の家のようになっては困る。
そんな話のやりとりから、「古きよき時代」に建てられた邸宅の改修現場で、モザイクパーケットを勧めた。装飾性があり華やかながら、落ち着きと風格もあり、当時の建物が持っていた時間の重なりと、相性がいい。

模様はすでに床の中にある。
この段階ではまだ素地のままで、少し表情が硬い。

モザイクパーケットは、塗装によって印象が大きく変わる。
既存の建具や壁のトーンと馴染むよう、ここではあえて赤味の強い色をかけた。

新しくなりすぎず、かといって古びた印象にもならず、まるで以前からそこにあったかのような佇まい。
空間全体の雰囲気を壊すことなく、床だけが不自然に新しく見えることもない。そして、いまどきの「軽い感じ」もない。
適材適所。
この家が積み重ねてきた時間を受け止めながら、新たな風を吹かせてくれるだろう。
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