探していた答えが見つかる気がするから、美術館が好きだ。
東京はアートの宝庫。
時間がとれるときは美術館を巡りたい。
光や静けさ、吸い込まれるような暗がり。
展示空間の余白に触れることは、心を調整する行為に近い、と思う。
ほぼフリーの出張2日目。
→住まいのインテリアコーディネーションコンテスト<高校生部門> 審査員を務めました
まずは、写真の持つリアリティと想像力が交わる瞬間を味わいにフジフィルムスクエア、そこからサントリー美術館へ。
日本美術は、凛とした美しさの奥に人間の生臭さを隠し持っている。秘め事や情念が滲み、屏風の筆跡にまで皮肉を飛ばす。高尚と俗っぽさが同じ地平に並んでいて、そこがたまらなくおもしろい。
静謐で涼やかな表の顔とは裏腹に、じっとりと湿り気を孕んだざわめきを宿す、その二面性がどうしようもなく心を揺さぶるのだ。
国立新美術館では企画展は開催されておらず、空間そのものを味わう。
光が差し込むカーテンウォール、天井まで伸びる逆円錐形のレストラン。その不思議な形を、色々な角度から眺めるのが楽しい。
1階のフロア、2階のカフェ、3階のレストランをひとつの画角に収めたこの1枚が、いちばんのお気に入り。
勢いで扉を押したのは、21_21 DESIGN SIGHT。
開催中の防災展に正直興味がなかったのだが、そうしょっちゅう来るわけじゃないから、と自分に言い聞かせる。
地下へ続く階段を降り、コンクリートの壁と静けさの中で、ただそこに身を置く。独特な空間を歩くのは悪くない。
日常に飲まれまいともがくより、ひとり過ごすこんな時間をじっくり味わう方が、くらげはうんと喜ぶ。
この日、答えの断片をひとつ拾えた気がした。
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